節約に関する本や雑誌などを見るとよくこんなものを見かけます。
もしあなたが毎朝1杯500円のコーヒーを飲んでいるのなら、やめましょう。
そのお金をもし投資に回せば10年後には200万以上になるのだから。
確かに計算は間違っていないし、その通りだとは思います。
ただ、私はこの手の普遍的なアドバイスは嫌いです。
私みたいに朝コーヒーを飲まなくてもなんとも思わない人もいますが、大好きな人もいます。
その人にとっては、コーヒー1杯が1日をより素晴らしいものにしてくれるのです。
要は、支出の優先度や支出による満足度は人によって違うので一概に言えないということなのです。
FIRE(経済的に自立し早期退職するライフスタイル)の第一人者であるクリスティー・シェン氏も自身の著書『FIRE 最強の早期リタイア術』の中でこう述べています。
”節約の秘訣は誰かが作ったテンプレートを模倣することではなく、自分なりのやり方を見つけることです。”
以下では、欲求と充足の話から、どのように節約をしていくべきかについて話します。
欲求と充足の話
上記の例でも、例えば『1杯500円のコーヒーではなく、1杯100円のコンビニコーヒーにしてみたところ、特に満足度は変わらなかった』みたいな人もいます。
その人の場合は、これまで1杯500円のコーヒーを飲んでいたことは、充足が余っている状態(=過充足状態)であったと言えます。
ちなみに、この欲求と充足の話には『目的』が大きく関係してきます。
上記の人でいうと、例えば朝コーヒーを飲むのは『頭をすっきりさせて効率的に仕事をするため』という『目的』があったとします。
そうであれば、1杯500円のコーヒーだろうが100円のコーヒーだろうが、飲んで頭がすっきりすれば良いというわけなんですね。
もしこの人がコーヒーを飲むのをやめてしまった場合、頭がすっきりせずに、仕事の効率が上がらないといったデメリットが出てきてしまいます。
また、コーヒーを飲む目的が『カフェで美味しいコーヒーを飲んで幸せに浸る』というものであれば、1杯100円のコンビニコーヒーでは満足できませんよね。
この場合は、その人にとっては1杯500円のコーヒーが適切な充足状態であると言えます。
このように、欲求を過不足なく充足させるためには、欲求の裏にある『目的』に着目することが大事です。
欲求充足パターンと欲求充足ライン
先ほどの不足・過充足の話を簡単に図で表すと以下のようになります。
一番左が過充足状態です。
先ほどの例だと100円コーヒーで満足できるのに500円コーヒーを飲んでいる場合ですね。
人間でいうと太りすぎて不健康、みたいな感じです。
この状態では余分にお金を使っている可能性があるので、経済的にも不健康であると言えます。
対して一番右が不足状態です。
先ほどの例だと、500円コーヒーでしか満足できない人が100円コーヒーを無理して飲んだり、コーヒー自体を飲まない場合ですね。
この状態は、欲求が充足されるライン(欲求充足ライン)に届いていないので、その差分がストレスになっています。
ストレスは節約にとって天敵です。
その場はなんとか我慢できるかもしれませんが、積もりに積もったストレスは必ずどこかで爆発します。
そして、その爆発の仕方は多くの場合【散財】という形で現れます。
無理な節約をして結果無駄な散財をしてしまうという、典型的な節約の失敗例ですね。
なので、この状態も非常に不健康と言えます。
目指すべきは真ん中、欲求充足ラインに丁度届く塩梅を見つける必要があります。
現状過充足状態の人が、うまく真ん中に行くことが出来れば、満足度を下げずに節約が出来たことになります。
欲求充足ラインの見つけ方
当然ですが、欲求充足ラインは人によって違います。
では、どのように自分の欲求充足ラインを見つければよいのでしょうか。
STEP1:『目的』を明確にする
「うーん、これは支出しすぎかなぁ」というものを見つけた場合、まずは、その支出の『目的』は何かを考えましょう。
先ほどのコーヒーの例でいうと『 頭をすっきりさせて効率的に仕事をするため 』や、『 カフェで美味しいコーヒーを飲んで幸せに浸る 』といったものです。
STEP2:『目的』にあった手法とラインを探す
『目的』がわかったら、次にその目的を充足できる①手法と②ラインを探しましょう。
ここは試行錯誤しながら試していくしかない部分です。
①手法
目的を充足させる手法は一つだけとは限りません。
先ほどのコーヒーの例でいうと『 頭をすっきりさせて効率的に仕事をするため』という目的に対する充足方法は『コーヒーを飲む』だけではありません。
例えば”朝シャワーを浴びる”であったり、”仕事前に軽く運動をする”ことにより、同様の効果を得られるかもしれません。
最適解は人によって違うので、試行錯誤して自分に合った手法を探しましょう。
②ライン
手法が固まったら、充足できるラインを探します。
100円のコンビニコーヒーなのか、ディスカウントストアで売られている60円の激安コーヒーでもよいのか、カフェで500円のコーヒーを飲まないとダメなのか、これも試行錯誤ですね。
自分の納得できるラインを見つけたら、欲求充足ライン探し完了です。お疲れ様でした。
【注意点】
ラインを探すときは、現状より下のコストとなるように試していきましょう。
理由は簡単で、「高コストのものは当然に良い」からです。
高コストのものを試した結果、「やっぱこっちのほうが良いかも♪もう現状で満足できない★☆」なんてなったら本末転倒なので、そこは意図的に避けましょう(;^ω^)
『目的』が見つからない場合→とにかく試す
そうはいっても、いきなり『目的』といわれてもピンとこないしよくわからない。
そんな場合には、とにかく試してみましょう。
試していく中で、『目的』が明確になっていくはずです。
また、試行錯誤の中で当初思っていたと違う『目的』が見つかるかもしれません。
とにかく、レッツトライ!やってみましょう。何事も実践が大事です♪
まとめ
以上をまとめると
●欲求を過不足なく充足させれば満足度を下げずに節約が可能。
●欲求の裏にある目的を知ろう。
●欲求充足ラインは人によって異なる。試行錯誤して見つけよう。
となります。
なお、最初の方に本を引用して「節約は誰かの真似をするのではなく自分のやり方をみつけること」と書かせていただきましたが、実は多くの人に当てはまる節約項目もあったりします。
詳しくは↓で記載しておりますので併せてご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました
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